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本記事の信頼性
この記事を書いている僕は、フリーランス歴6年目の美容師で、その他フリーランスに関連する事業もしていて最高月収はサロン勤務時代の10倍ほどとなっています。
これからフリーランスを目指す方へのメッセージ
本記事は「退職することは決めたけど、退職の経験がないからどのような手続きを取ればいいのか分からない。」という方のために書いています。
この記事を読めば、フリーランスになるにあたって誰もが直面する退職時に対する心構えや具体的な対処法を理解することができます。
特に日本人にとっては退職というのはなんだか気が重い気がしてしまって、人間関係なども気まずくなりがちです。しかしフリーランスという働き方では周囲の方々全員がビジネスパートナーやクライアントになる可能性があるので、良好な人間関係のコントロールというのも非常に重要になってきます。現在働いている会社の上司や同僚もいずれビジネス関係が発生するかもしれないですし、スムーズに退職できるよう立ち回りましょう。
では、さっそく見ていきましょう。
退職の意向を伝える
サロンを退職する決意を固めたら、その意向をどのように伝えるかが非常に重要です。美容系の職場では、特に人間関係が密接であるため、プロとして配慮深い方法で退職の意向を伝えましょう。現在では退職代行を利用したりしっかりとコミュニケーションを取らずに強行突破してしまう方もいますが、そのような不誠実な態度はフリーランスという働き方以前に人として不誠実なので、しっかり意向を伝えましょう。
以下のステップは、円滑なコミュニケーションとスムーズな移行を実現するためのガイドラインです。
1. 準備
- 退職の意向を伝える前に、自分の決断が確固たるものであることを確認してください。また、独立に向けた計画が具体的で実行可能なものであることを紙に書き出して、再確認しましょう。
- 伝える内容をあらかじめ準備しましょう、上司に伝える内容を正確に伝える自信がなければ、事前に紙に書き出しておきましょう。具体的には、退職の理由や退職希望日、引継ぎの提案などが含まれます。
2. 適切なタイミングの選択
- まず直接の上司に退職の意向を伝える最適なタイミングを見極めましょう。忙しい時間帯やストレスの多い時期を避け、落ち着いた環境で個別に話すことができる時間を選ぶのが望ましいです。
- 可能であれば、退職の意向を伝える数日前には上司にアポイントメントを取り、2人で話せるといいでしょう。
3. 対面でのコミュニケーション
- 退職の意向は、対面で伝えることが望ましいです。直接会話をすることで、誠実さとプロフェッショナリズムを示すことができます。
- これから去るつもりの職場の批判等は何の意味もありませんので、これまでの感謝の気持ちを表明し、サロンでの経験や学びに対して感謝を伝えましょう。また、退職の理由を伝える際は、できるだけポジティブな言葉を選び、今後も良好な関係でありたいこと、また自身の将来の計画について簡潔に述べると良いでしょう。ただし独立するとやりたい事も新たに出てきたりするものです。この際に将来の計画について齟齬があると後々「あいつは嘘をついてやめた」というレッテルを貼られかねないので、あくまでも計画であり、不確実な未来であることも伝えましょう。
4. オープンなコミュニケーション
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- 退職の話をした後も、残りの在籍期間中はプロフェッショナルな態度を保ち、引継ぎなどの責任を全うしましょう。
- 退職後も良好な関係を維持するために、オープンで誠実なコミュニケーションを心がけてください。
退職までのステップガイド
退職の意向を伝えた後、スムーズな退職手続きを進めるための具体的なステップを以下にご紹介します。
1. 退職届の準備と提出
- そもそもサロンによって退職届が必要かどうかは異なるので、書類として退職届が必要が確認しましょう。必要な場合は形式に特に決まりはないものの、日付、自分の名前、退職希望日を明記し、簡潔に退職の意向を述べましょう。退職届は、退職の意向を伝えた後、できるだけ早く提出することが望ましいです。
2. 法的要件と会社の方針の確認
- 労働基準法や就業規則など、退職に関連する法的要件や会社の方針を確認しましょう。通常1ヶ月前告知などの決まりがあるので、退職通知期間や最終勤務日に関する規定は、事前に把握しその規定に反しないよう退職の意向を伝えましょう。それらに不明点があれば、人事等に相談して正しい手続きを確認してください。
3. 引継ぎの準備
- 引継ぎは、業務をスムーズに次の担当者に移行させるために不可欠です。自分が担当していた業務のリストを作成し、必要な情報や仕事内容を整理しましょう。引継ぎ資料の作成や、後任者への直接の指導など、具体的な引継ぎ方法についても計画を立てておくことが望ましいです。
4. 社内手続きの完了
- 退職に伴う社内手続きがある場合は、これらを完了させましょう。これには、社内資料の返却、IDカードや鍵の返還、有給休暇の消化、最終給与や退職金の手続きなどが含まれる場合があります。
5. 社会保険や税金の手続き
- 健康保険や雇用保険、年金などの社会保険の手続きについてはシェアサロンの運営会社等が詳しいので、独立する前に、他のフリーランスの方はどうしているのか?など相談しておきましょう。場合によっては美容系フリーランス専門の税理士を紹介してもらえます。
退職手続きは、一見すると複雑に見えるかもしれませんが、計画的に一歩一歩進めることで、スムーズに進行させることができます。このガイドが、美容系フリーランスとして新たな道を歩むあなたのサポートとなることを願っています。
人間関係の構築と維持
美容系フリーランスとしてのキャリアを築く上で、業界内でのネットワーキングと人間関係の維持は非常に重要です。サロンを退職する際も、これまで築いた関係を大切にし、将来的な機会や協力関係を開拓するための土台として活用することが重要です。
1. 既存顧客様への対応
- フリーランスとして独立する場合、これまで担当していた顧客様にもご来店いただきたいですよね、しかしここで問題となってくるのがお客様を引き抜いていいのか?という問題です。法的な観点から言うと、サロンの所有する顧客情報を勝手に持ち出すことはNG、お客様が見つけてくださり、引き続きご来店いただくのはOKということになります。美容室や美容サロンから退職した後、サロンが所有する顧客情報を持ち出すことは、一般的には違法であり、個人情報の漏洩に関連する法的な問題を引き起こす可能性があります。美容サロンや美容室は、顧客様のプライバシーを保護するために、一般的に個人情報の取り扱いに関するルールや契約を定めています。しかし、それは個人情報の取り扱いが紙のカルテやサロンのシステムに保存してある情報だった一昔前の話で、現代では例外が多数存在します。例えば、自動的に顧客様から明示的な許可を得て、彼らの連絡先情報を使用することができます。それはInstagram等のSNSのことで、顧客様からフォローまたは連絡を許可されている場合にのみ、連絡を取ることが許容されます。これはサロンの所有する個人情報保護の観点とは異なるので、事前にお客様にフォローされている状態で退職した後に全体に向けて告知をするなどが一般的となっております。なので事前に自然な形で顧客様にはSNSをフォローして頂き、サロンで担当者の引き継ぎはするが、SNSで告知はして来たい顧客様はご来店いただくというのが一番問題の無い方法になります。この場合選ぶのはお客様なので、フェアな状態でも選んでいただける自分の魅力作りが大切です。
2. フリーランス向けのイベントや会合への参加
- 美容系フリーランス向けのイベントや会合に積極的に参加することで、業界内でのネットワークを広げ、人間関係を維持することができます。これらの場では、フリーランスとして成功するための情報の共有はもちろん、意見交換や相互支援の機会を得ることができます。現在はフリーランスとして成功している方も多いので、自分の目指すフリーランス像として成功している人と話すのが一番の成功の近道と言えるかもしれません。
3. 古い関係の維持と新しい関係の構築
- サロンでの同僚やクライアントとの関係は、フリーランスとしての将来においても貴重なリソースとなり得ます。定期的に連絡を取り合い、関係を維持しましょう。今後あなたの活躍を見てフリーランスとして独立する方もいるかもしれません。フリーランスといえど1人なわけではありません。新しい仲間はもちろん、昔の仲間も大切にすることが勇気を与えてくれますし、美容業界を俯瞰して冷静に立ち回る視点を与えてくれます。
ネットワーキングと人間関係の維持は、個人として活動することになる美容系フリーランスとして成功するための鍵です。サロンを退職する際も、これまでの関係を大切にし、新たなフェーズにおいても業界内でのつながりを活かしていくことが重要です。
まとめ
退職を決意したら、配慮深く上司に退職の意向を伝える方法が重要です。適切なタイミングで対面でコミュニケーションをとり、感謝の気持ちや退職の理由を誠実に伝えることがポイントです。
実際のやることに関しては退職手続きに関する具体的なステップを確認し、退職届の準備と提出、法的要件と会社の方針の確認、引継ぎの準備、社内手続きの完了、社会保険や税金の手続きを適切に行いましょう。
また、美容系フリーランスとしてのキャリアを築くためには業界内でのネットワーキングと人間関係も重要です。既存の顧客様への対応やフリーランス向けのイベントへの参加、古い関係の維持と新しい関係の構築が成功に向けての鍵となります。
社会人としては割と当たり前のことかもしれませんが、その「当たり前」がちゃんとできる人は意外と少ないものです。なので当たり前のことを当たり前にするだけで、あなたは少し特別な人になれたりします。

いかがでしたでしょうか?僕が個人的に思う、美容系サロンを退職するにあたって最も重要になってくるのは人としての「誠実さ」です。
僕たち美容業の従事者はどんな時でも人と人が関わる仕事です。誠実さは時としてその瞬間は嫌な気持ちや怒り、悔しさを引き起こすことがありますが、長い目で見て成功するのはいつでも誠実な人です。犯罪は当然ながら、嘘や卑怯なことはせず真っ直ぐ陽の当たる道を勇気を持って進みましょう。
誠実な人にははたくさんの人が力を貸してくれます。その逆もまた然り、因果応報という言葉があるように。真っ直ぐ楽しいフリーランスの道を歩んでいきましょう。
ではまた。
「退職することは決めたけど、退職の経験がないからどのような手続きを取ればいいのか分からない。」という方向けに執筆しています。あなたが独立への第一歩を踏み出すのに役立つ情報やアドバイスを提供します。